ココがイチオシ!
女子会という言葉が巷に広まり、すっかり定着した今、いろんなタイプの女子会が増えている。定番の居酒屋や自宅での開催にとどまらず、リムジンの車中で女子会を開くのも流行中である。
さぁ、次はどんな女子会を開こうかなと考えていた矢先、「スッポン女子会が野毛で流行中」というではないか 。これぞ本当の意味で肉食女子・・・。偉いおじさまたちが、高級料亭で密かに楽しむイメージを持っていたが、”女子とスッポン“という新たなトレンドを体感すべく、野毛に急ぐ!
キレイなあの子はもう食べている!? 食べてよし、塗ってよしのスッポンの魅力とは
京浜急行線「日ノ出町駅」またはJR根岸線「桜木町駅」から徒歩5分。スッポンを専門に提供する「横浜味処 あぐら亭」が見えてくる。
1980(昭和55)年にスッポン専門店として創業したあぐら亭だが、現在ではウナギ、馬肉なども扱う。名前を列挙しただけで、活力が出そうな食材ばかり。客層は40代以上の年代を中心に、最近は美容に敏感な20代・30代の女性がこぞって足を運ぶという。
八木橋さんのお母様は中区宮川町で「阿具良(あぐら)」という割烹料理店を営んでおり、中学生の時にはすでにスッポンを食べていたのだそう 。
幼いころからご両親の影響もあって、食に対し非常に関心が高く、料理人を自然と志すようになったそうだ。学生のころからお店の手伝いをし、高校卒業後にすぐ料理の道へ進む。結婚し、子どもが生まれたタイミングで「独立心」が沸き、当時珍しかったスッポン料理専門店を開いた。
「技術は盗むもの」と笑顔の八木橋さん。創業当時は経験のある板前を雇い、その人から勉強しながらお店を営んだと話す。そして、一人でやっていけると確信したところで、本当の意味で独立。36年間、野毛でお客さんからの確固たる信頼を築いていった。
しかしながら、スッポンは高級食材。20代の女性も訪れるというが、やはり少々身構えてしまう。すると八木橋さんは、「スッポンは高級なイメージがあると思いますが、うちでは肩の力を抜いて、本物の味を楽しんでほしい」と大きな笑顔を見せる。
「最近はインターネットから情報を仕入れるのか、“スッポンは美容に良い”と若い女性のお客さんが増えました。女子会が開かれることもあり、スッポン鍋に飲み放題がついた8000円(税込・以下同)のコースもおすすめしています」とのこと。
「スッポンの高級感はそのままに、手ごろな価格で提供できるのも専門店ならではかもしれません」と八木橋さん。しかも、同店の魅力はそれだけではない。
え、化粧品?? と驚く筆者を尻目に、「スッポンを数十年さばき続けて、気がついたことがあるんですよ。私の手、見てください!」と続ける。目の前に差し出された手の甲を見ると、驚くほど白くて毛穴レス。お世辞抜きで、キレイなお肌だ。思わず、「ずるい!!」と言ってしまったほど。
すっぽんには、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル類の種類と量が豊富。血液浄化や、血流の改善を助け、疲労回復から体質改善、若返りまで効果があるといわれている。
スッポンの脂肪の部分から油を抽出して、スッポンオイル、クリーム、石鹸を開発。「スッポーレ」のコピーが目を引く、天然由来の基礎化粧品を販売している。そう、スッポンは食べるだけではなく、お肌に直接塗っても良いものらしい。
また、八木橋さんは野毛で2万人を動員するほどに成長したイベント「ジャズde盆踊り」や、野毛の夜を照らす「虹」を発案した仕掛け人でもある。5~6年前から地域との交流をもっと大切にしていきたいと考えるようになり、積極的に同業者と協力しあい、野毛にお客さんを呼ぶ催しものを企画している。
「イルミネーションはめずらしくないけど、虹が年中かかっている商店街はめずらしいでしょ。新しいことを仕掛けるのが大好きで、ここから流行を発信して、地域の活性につながれば良いと思う」と話す。
調理の難しい食材でも、八木橋さんのセンスと腕で「すっぽんのちんちん焼き」や「うなぎのたたき」など、他店ではお目にかかれない一品料理に変身する。ここで、スッポンを食べたことのない筆者が、 どんな味なのかと間抜けな質問をするも、八木橋さんは、「スッポンは、スッポン味だね(笑)。でも、きっと『思っていたのと全く違う!』って驚くはずですよ」と期待感が高まる答えをくださった 。